Google Products Advent Calendar 2019 の 1 日目の記事です。
こんな記事が初日を飾るのも申し訳ない気がしますが、私が数年間ヘルプコミュニティで回答してきた中で、なぜ自分は回答を続けているんだろう、ということを考えてみたポエムです。
Google Product Experts (PE) は、Google のヘルプコミュニティに日々投稿される質問に回答するユーザーのことです。コミュニティには、日々たくさんの質問が寄せられます。中にはよくある質問から、誰にも解決策が見つからないような問題まで投稿されます。
エキスパートは、全員がパソコンの前に座り続けている技術オタクというわけではありません (私はそうかもしれませんが)。様々な職業・立場・趣味の人が回答しています。
これはエキスパートによって答えが変わるでしょう。なぜ回答し続けるのか、というのは非常に難しい問いになり得ます。
Help on Social という取り組みがありました (14 日目の yasu0796 さんの記事をお楽しみに!)。これは、Twitter 上で困っていそうな人を見つけ、リプライで回答をするものです。#gHelp のハッシュタグでご存じの方もいるかもしれません。Twitter でいきなりリプライを飛ばすという性質上、極稀に罵倒されるようなこともありました。これは Twitter に限ったことではありません。Google のコミュニティでも、直接的な表現で投稿するユーザーは存在します。回答者も人間ですから、当然嫌な気持ちになります。それでも、エキスパートは回答を続けます。なぜでしょうか。
エキスパートになることによって得られる特典でしょうか。ベータテストに参加できたり、イベントに参加できたりと、特典は嬉しいものがあります。では、もし仮に明日からこれらの特典を一切受けられなくなるとしたら、エキスパートは回答をやめるでしょうか。おそらく、多くのエキスパートは回答をやめることはないと思います。少なくとも僕は回答をやめません (Googler と連絡が取れなくなるのは、エスカレーションできなくてとても困るけど)。特典があるから回答を続ける、というのは不適切でしょう。
正直なところ、少なくとも私にとって習慣になってしまったから、というのは1つの正解なのかもしれません。朝起きたらコミュニティをチェックする、仕事が終わったら返信が来ていないか確認する、といったように、日々のルーティンに組み込まれているエキスパートもいるかもしれません。では、習慣になったから惰性で回答を続けているのでしょうか。エキスパートの皆さんの回答を見ていると、これも不適切です。
おそらく、最終的には「好きだから」「楽しいから」「色んな人に使ってほしいから」「知識を広めたいから」という理由に行き着くでしょう。Google の製品について日々真剣に議論し、アップデート情報に一喜一憂し、Google にフィードバックを送りまくるエキスパートの姿を見ていると、そう結論づけるのが妥当に思えます。
質問に答えることによって質問者を助けるだけではなく、自分が得られるものも非常に大きいということが言えます。自身が回答することでより深い知識を得られる、他の回答者と交流できる、問題を解決したときの達成感を得られる、など様々なことが挙げられます。回答することでなにか得ることを目的にしているわけではないのに、「与えよ、さらば与えられん」とはよく言ったものです (旧 Top Contributor Program の日本語ページに書いてあった気がします、確か)。
Google の製品が好きな方、質問に答えるのが好きな方、ぜひヘルプコミュニティへの投稿をお待ちしています。次は仁田坂 淳史さんによる Inbox なき後のメール管理についての記事です。お楽しみに!